「自分に負けないために」
今野章スペシャルインタビュー
引退を決意した理由
今野の引退を聞き「まだやれるのでは?」と感じた人は多かったと思う。引退を決意する理由は選手の数だけ違う。今野章の幕引きは、自分で決意したものだった。
──10年間のプロサッカー選手生活を振り返って、
率直にいまどんな気持ちですか?
「スピードやテクニックといった卓越したものがない俺がよくここまでやれたな、と素直に思います。ジュビロに入ったとき、大きな壁にぶつかりいま思えば修行の時期だった。その後、フロンターレでやっと勝負ができた。26歳になっていたから、遅いスタートだったけど、環境が自分に合っていた面もあったと思う。フロンターレに来てからも1年1年が勝負だったし、来年も契約できそうだと思えたのは、唯一のレギュラーシーズンだったといってもいい2003年ぐらい。あとは、毎年契約の時期になると来年も続けられるのだろうかと不安だったし、先が見えないから、いつ終わりになるかわからないという思いで必死にやってきました」